social force(ソーシャルフォース)は、NPO・NGOを対象として、Salesforce(セールスフォース)の導入支援を行っています

Salesforceでここまでできる!成功活用事例

Vol.01 認定NPO法人NPOカタリバ rep

「事業を改善しつづけるための情報管理にSalesforceを使っています」

認定NPO法人NPOカタリバの低引 稔さんに、
Salesforce活用についてお話を伺いました。

低引 稔(そこびき・みのる)さん

認定NPO法人NPOカタリバ 経営管理本部統括ディレクター。2006年3月千葉大学理学部物理学科卒業。2005年12月よりNPO法人フローレンスに学生インターンとして参画。2006年4月には同法人に正式に採用される。病児保育事業部長、経営企画室室長、おうち保育園事業部長を歴任。個人事業主を経て、2011年2月より、NPOカタリバに参画。Salesforceを中心とした業務改善、及びバックオフィス全般の業務を担当。

■ 導入は段階的に行いました

低引さんは、NPOカタリバでのSalesforce活用において、どのようなことを担当されているのでしょうか。

カタリバは、大きく4つの部署に組織が分かれています。カタリ場事業部、東北復興事業部、広報ファンドレイジング部、経営管理本部です。その全ての部署において、Salesforceをより便利に使ってもらえるよう、運用管理を担当しています。

NPOカタリバでは、2010年12月からSalesforceの導入をスタートされたとのことですが、導入はすべての部署で同時に行われたのでしょうか?

いいえ、導入は段階的に行いました。
導入時、最も期待されたのは寄付者情報の集約でした。そのため、寄付者の基本情報や決済情報の管理、お問い合わせへの対応管理、メルマガを使った情報発信など、広報ファンドレイジング部でのデータ管理からはじめました。

広報ファンドレイジング部での導入がひと段落ついた後、カタリ場事業部への導入に取り掛かりました。学校の先生とのコミュニケーション履歴、企画書や報告書、各種プログラムに参加するボランティア情報、アンケート結果など、カタリバの事業をまわしていくために必要な情報は膨大です。プログラムごと、担当者ごとにエクセルで管理されていたそれらのデータをSalesforceにまとめ、「ボランティア」の軸でデータが見られるように改善しました。

東北復興事業部への導入は、カタリ場事業部の導入開始その後になります。東北復興事業部では、使い慣れた機能を事業の形態に合わせてカスタマイズし、バーコードを使った出欠管理や保護者への一斉情報配信などに利用しています。
現在は、経営管理本部で活用する売上情報や求人申込者などのデータ管理を進めているところです。

■ ノウハウの蓄積と、スタッフの意識の変化

Salesforceを導入したことで、団体にはどのような変化がありましたか

大きくは2つ生まれたと思います。

ひとつはノウハウの蓄積です。カタリバでは、学生が主体的に事業に関わります。学生は事業の中で経験を積み成長してきますが、4年後には卒業してしまいます。その時に、ノウハウまでも失われてしまうのではあまりにももったいない。企画書や報告書、寄付者や学校の先生方とのやりとりの履歴をSalesforceに一元化することで、ノウハウを蓄積し、法人として一気通貫のコミュニケーションを取れるようになりました。

ふたつめは、職員や学生インターンたちの意識の変化です。
例えば説明会を聴きにきた学生のうち、実際に現場に参加した学生は何人いたのか。明確に数字で見られるようにしました。これにより、オペレーションを回している学生インターンの意識が明らかに変わりました。
現場への参加率が悪かった原因は何か?説明会の内容を改善できないか?説明会というイベント名は適切か?
数字が見えることで目標からが明確になり、学生インターンたち自らが考え、現場の改善に繋げることが出来るようになりました。

低引さんはSalesforceにとてもお詳しいですが、もともとITツールには長けていらっしゃったのですか?

私自身は、前職のNPO法人フローレンス入社時代からSalesforceを使用していました。
フローレンスの病児保育事業が開始したのは2005年4月、私が参画したのは同年の12月からですが、その当時すでにSalesforceが導入されていました。

入社当初は、利用者の入会業務、説明会の運営、保育スタッフの募集・採用・育成など多岐に渡って現場業務を担当していましたが、学生時代は物理学を選考しており、「数式を見ていても頭が痛くならない」という理由でSalesforceを活用した業務改善業務を担当するようになっていき、習熟するようになりました。

■ どんな組織を目指すかが重要

はじめてSalesforceを使った時の印象はいかがでしたか?

こんなに洗練された機能が無料で使えるのかとびっくりしました。

「日付」の項目は日付しか入らない、半角の項目には全角で入力しても半角で登録される、特定の項目を更新すると自動的にデータが書き換わる(ワークフロールール)など、システムそのものにナレッジが組み込まれていて、そこからスタートできるということに、とても魅力を感じました。

Salesforceの導入において、心がけていることはありますか?

これまでSalesforceなしでやってきたところに新しいツールを導入するわけですから、現場の賛同が得られないと導入は大変だと思います。

ですから私は、できるだけ現場のヒアリングに時間を取るようにしています。
今の業務フローはどうなっているのか、今困っていることは何で、Salesforceではどこまで解決できるか。徹底的に聞きます。

ヒアリングをするのは、導入後毎日Salesforceを使う人たちが「導入して本当によかった」と思えるものになるように設計するため、というのはもちろんですが、それと同時に、現場の人たちに導入後のイメージ伝えるためにもとても重要なフェーズだと思っています。
私は、Salesforceの導入を決める際に重要になるのは、組織の規模ではなくて、どんな組織を目指すかだと思っています。受益者にどんなサービスを提供したいのか、そのためにはどんな体制が必要なのか、そこを考えたときにSalesforceという選択肢が出てくる。だから、導入後はこんなことが解決されて、こんなサービスができるようになりますよ、というイメージを共有できると、Salesforceの導入は組織全体の「やりたいこと」になり、最終的には「何としてもやってもらいたいこと」になるんだと思います。

NPOカタリバでは、決済連動サービスの導入進めておられますが、導入を決めた経緯を教えて下さい

これまでもオンラインの決済システム自体は導入していました。しかし、コミュニケーションツールであるSalesforceとの情報連携がとれていなかったため、一人の寄付者の方がリピートして寄付をくださった際にも、その履歴を統合出来ず、正確なコミュニケーションを取ることが出来ませんでした。
また、その方がカタリバに通算どれだけの寄付をしてくださったのかわからないので、どのような施策が寄付者の方々に響くのかわからない状況がありました。

団体として、寄付情報の管理が重要になってきた時期でもあり、Salesforceとオンライン決済との連携を検討し始めました。結果的には、私達がメインとしているクレジットカード決済が使えること、有効期限等をカード会社へ確認(有効性チェック)し、自動的に情報を更新するカード情報の洗い替え機能が使えることが決め手となり、ファンドレックスの提供する非営利団体向け決済連携ソリューションの導入を決めました。
寄付者管理に最適化されているDRMのパッケージを導入するにも良いタイミングだったと思っています。

■ 使い方次第で、スタッフの人材育成にも活かせる

今後Salesforceを活用したい業務や追加したい機能はありますか?

アンケート集計をSalesforceでできるようにしたいですね。
カタリバでは、年間約2万人の高校生からアンケートを取得しています。集計はしていますが、フィードバックが十分できているとは言えません。参加者のアンケートを、担当したキャストの情報と連動させて集計・分析し、ボランティアまで含めた関係者に広くフィードバックできる仕組みが作れれば、キャストひとりひとりが自分たちのおこした変化をもっと実感できるようになると思います。

あと、基本的にエクセルで管理しているデータはSalesforceで管理できるようにしたいと思っていますが、ちょうど今経営管理本部のSalesforce導入を進めているところなので、まずは人事の情報管理をSalesforceでできるようにしたいです。もちろん閲覧できる人の権限を制限するなどの配慮は必要ですが、スタッフの目標管理ができたり、マネージャー陣が評価を共有できたり。使い方次第で、スタッフの人材育成にも活かせると考えています。

SalesforceがNPOに選ばれる理由(魅力)は何だと思いますか

プラットフォームになっていることで、他団体の方、企業の方にアドバイス、支援を受けやすいこと。
システムそのものにナレッジが組み込まれていること。
高度なシステムを安価に提供いただけること。この3点だと思います。

Salesforce をもっと活用して、団体をよくしていきたい、社会をよくしていきたいという人たちにメッセージをお願いします。

NPOを支えているのは、当然ですが人だと思います。受益者の人や困っている人に「何かしたい」と思う人たちが、NPOを支えています。
私は、人には、人にしかできないことに集中してもらいたいと思っているんです。

そのためにシステムができることというのは限られているんですが、その中でもSalesforceは、できることの幅が広く、その時の状況に合わせてカスタマイズできるともて良いツールだと思っています。大企業が使って検証されたプラットフォームが使えるというメリットも大きいです。
自分たちの団体をどんな団体にしたいか、どんなサービスを提供したいか、イメージしたゴールを目指してください。きっとSalesforceは役に立つと思いますよ。